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ギャロウェー・モワット症候群:KEOPS複合体遺伝子の変異は原発性小頭症を伴うネフローゼ症候群を引き起こす

Nature Genetics 49, 10 doi: 10.1038/ng.3933

ギャロウェー・モワット症候群(GAMOS)は、小児期発症のネフローゼ症候群(SRNS)と脳奇形を伴う小頭症の両者を特徴とする常染色体劣性遺伝性疾患である。本研究では、32家族37人のGAMOS患者において、KEOPS複合体の4つのサブユニットをコードする遺伝子OSGEPTP53RKTPRKBLAGE3に劣性遺伝性変異を同定した。ゼブラフィッシュおよびマウスでCRISPR–Cas9によるノックアウトを行うと、原発性小頭症のヒト表現型が再現され、早期致死となった。OSGEPTP53RK、あるいはTPRKBのノックダウンは、いずれも細胞増殖を阻害し、ヒトの変異はそれを救済しなかった。これらの遺伝子のノックダウンはまた、タンパク質への翻訳を阻害し、小胞体ストレスを引き起こし、DNA損傷応答シグナル伝達を活性化させ、最終的にアポトーシスを誘導した。OSGEPまたはTP53RKのノックダウンは、アクチン細胞骨格の異常を誘発し、SRNSの中間表現型であることが実証されているヒト足細胞の遊走速度の低下を導いた。以上のように、われわれはGAMOSの単一遺伝子性の原因を新たに4つ同定し、KEOPSの機能とヒト疾患との関連を明らかにし、想定される病因機序について述べた。

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