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コンデンシン:コンデンシンによる、分裂酵母の分裂期クロマチンの再構築

Nature Genetics 49, 10 doi: 10.1038/ng.3938

真核生物のゲノムは、自らが収納されている細胞に比べてはるかに長いDNA分子で構成されている。DNA分子は、分裂期の染色体凝縮において、最も小さく折りたたまれることになる。この過程は、SMC(structural maintenance of chromosomes)ファミリーの1つであるコンデンシンによって促進される。分裂期の染色体がどのような空間構造をとるか、そしてコンデンシンがどのようにしてクロマチン構造を形づくるかは、まだ完全には判明していない。本論文では、染色体高次構造キャプチャー(Hi-C法)を用いて、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeの分裂期における染色体凝縮を詳しく調べた。その結果、小さなクロマチンドメインを特徴とする間期の染色体構造が、分裂期には、間期と比べて総数は減るが大きなドメインに置き換わっていることが明らかになった。コンデンシンはこのような構造変化を、離れた位置を占めている染色体内DNA間に相互作用を生じさせることで実現している。そして結果的に、染色体はコンパクトな構造となり、個々に分離するようになる。これと同時にコンデンシンは、クロマチンの局所的な相互作用を抑制している。このことは分裂期における局所的なクロマチンの機能を強く示唆している。本結果はコンデンシンが、細胞が細胞分裂に向けてそのゲノムを準備するに際して、クロマチン構造を変化させる重要な決定因子であることを浮き彫りにするものである。

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