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電子健康記録:血清脂質についての大規模な電子健康記録を基盤とするゲノムワイド研究

Nature Genetics 50, 3 doi: 10.1038/s41588-018-0064-5

保健維持機構カイザー・パーマネンテと契約しているさまざまな祖先系統に属する参加者9万4674人について、未処置の血清脂質レベルに関する長期的な電子健康記録(EHR)の47万8866の測定値を用いて、ゲノムワイド関連研究(GWAS)を行った。その結果、次に示すような多数の新たな知見が得られた。すなわち、121の新しいSNPとの関連〔46の主要SNP、15の条件付きSNP、およびGLGC(Global Lipids Genetic Consortium)のデータとのメタ解析によって明らかになった60のSNP〕、多数の測定値で説明される分散の33~42%の上昇、遺伝的影響の性差(LDL値、HDL値、総コレステロール値については女性における影響がより大きく、トリグリセリド値については男性における影響がより大きい)、非ヒスパニック系白人・ラテン系米国人・アフリカ系米国人・東アジア人の間で説明される分散の差異、遺伝的優性(顕性)とエピスタシス(LDL値については、ABOFUT2がその両方を示す強力な証拠がある)、GWAS関連SNPが肝臓・脂肪・膵臓のeQTLで豊富なこと、が明らかになった。電子健康記録の薬剤データを用いると、LDL値とトリグリセリド値の両方の遺伝的リスクスコア(477 SNP)から、脂質を減少させる治療の開始年齢を非常によく予測できることが分かった。これらの知見は、脂質治療や冠動脈心疾患のリスクに関係するコレステロールやリポタンパク質の代謝の新しい遺伝的特徴を明らかにするために、長期的電子健康記録が有用であることを浮き彫りにしている。

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