Article

緑内障:緑内障の多形質解析は新たなリスク座位を見つけ出し、疾患感受性と疾患の進行に関する多遺伝子予測を可能にする

Nature Genetics 52, 2 doi: 10.1038/s41588-019-0556-y

緑内障は、進行性の視神経変性を特徴とする疾患であり、適時の診断と治療が実施できれば予防が可能である。今回我々は、英国バイオバンク参加者6万7040人の視神経写真を解析し、多形質の遺伝学的モデルを用いて、緑内障のリスク座位を明らかにした。緑内障の多遺伝子リスクスコア(PRS)は、任意抽出した緑内障症例で効率的なリスク層別化を可能にし、最もありふれた緑内障関連ミオシリンのバリアントであるp.Gln368TerをコードするMYOCバリアントの浸透率が修正された。任意抽出した緑内障集団では、PRSの上位10分の1の患者は下位10分の1の患者に比べて、緑内障の絶対リスクに達する年齢が10年早く、進行した緑内障を発症するリスクが15倍高い(上位10%に対して残りの90%ではオッズ比 = 4.20)。このPRSは、緑内障症初期症状を前向きにモニタリングした例(P = 0.004)や、疾患後期に外科的介入した例で(P = 3.6 × 10−6)、緑内障の進行を予測することができた。この緑内障PRSは、高リスク患者の早期治療に対する個別化手法の開発を助け、低リスクグループに対しては、集中的モニタリングや治療の軽減を可能にするだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度