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トウモロコシ:ヨーロッパのトウモロコシゲノムは反復配列と遺伝子構成についての種内多様性に特徴がある

Nature Genetics 52, 9 doi: 10.1038/s41588-020-0671-9

トウモロコシ(Zea mays)の多様性は、現代の雑種強勢パターンや交雑育種の基盤となっている。歴史的に米国の農業従事者はこの多様性をうまく利用し、デント種とフリント種の遺伝資源プールを組み合わせて、今日のコーンベルト地帯で栽培されている高い生産性を持つ自殖系統を確立してきた。本論文で我々は、6.1~10.4 Mbの範囲のスキャフォールドN50値を持ち、仮想染色体分子の構築に至った、4種のヨーロッパフリント種の新規ゲノム塩基配列を報告する。米国コーンベルト地帯の2系統との比較解析を行ったところ、両遺伝資源間の顕著な違いがどのように生じているかが明らかになった。シンテニー領域の順序や統合遺伝子のアノテーションにより検出されたパンゲノムの差異は全体として見ると大きくはなかったが、全ゲノムアライメントを行ってコアゲノム領域と必須ではないゲノム領域を詳しく調べ、また、ヘテロクロマチンノブやオルソロガスなLTR(long terminal repeat)型レトロトランスポゾンについて解析すると、トウモロコシゲノムの進化動態が明らかになった。今回得られたヨーロッパフリント種遺伝資源プールの高品質なゲノム塩基配列は、トウモロコシのパンゲノムを拡充し、トウモロコシのゲノム規模での品種改良研究や現代の雑種育種の効果を高めるための重要なツールとなるだろう。

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