Review Article
喘息治療に対する生物学的製剤の可能性
Nature Reviews Drug Discovery 11, 12 doi: 10.1038/nrd3792
最近、喘息についての病理生物学の解明が進み、この複雑で、病態もさまざまである気道疾患に対して、サイトカインを標的とした生物学的療法が有用だと考えられるようになっている。喘息への生物学的製剤の使用は、適切に管理することができない場合の追加療法として、ヒト化モノクローナル免疫グロブリンE標的化抗体であるオマズリブ(商品名ゾレア;ジェネンテック社/ノバルティス社)が承認されたのが最初である。さらに、インターロイキン5(IL-5)やIL-13に特異的な薬物のような生物学的製剤の効果を裏付ける証拠が増えてきている。そのため、新しい治療法の開発によって喘息治療の状況は変わりつつあり、特にその傾向は重篤な疾患において顕著である。患者によって治療薬に対する反応が異なるため、生物学的製剤の使用を前提とした表現型を標的とする治療法を実施するには、さまざまなタイプの喘息を特定する必要がある。