Review Article 進行性統合失調症のための創薬:トランスレーショナルなギャップを橋渡しするために最適化されたげっ歯類モデル 2012年7月5日 Nature Reviews Drug Discovery 11, 7 doi: 10.1038/nrd3649 統合失調症の病態生理学に関する理解は深まっているにもかかわらず、この深刻な疾患に対する治療法はいまだ不十分である。本稿では、統合失調症の創薬に用いられるげっ歯類モデルおよび行動のエンドポイントについて十分に評価し、これらが治療法の改善につながらない理由について検討する。また、近年の統合失調症に関する遺伝学および神経回路の知見の進歩に基づいた新しいモデルが、どのようにトランスレーショナルなギャップを橋渡しをし、より有効な薬物の開発につながるかという見解について述べる。これまで、偶然の発見に基づいてきた開発方法は、前臨床試験および臨床試験の計画を統合することで創薬をするという合理的な戦略に置き換えることが望ましい。トランスレーショナル的に関連性のあるエンドポイントの評価を組み込んだ疾患モデルにおける薬物標的を検証することで、統合失調症治療薬の開発成功率の減少を抑えられ、さらに、最終的には疾患の進行過程に作用する治療法が得られるであろう。 Full text PDF 目次へ戻る