Perspective

抗体の利用で可能になる小分子の創薬

Nature Reviews Drug Discovery 11, 7 doi: 10.1038/nrd3756

重篤な疾患の薬物療法として、抗体を用いた治療が定着しているが、近年ようやく小分子の薬を発見する初期の段階で抗体をツールとして利用する価値がようやく認識され始めた。抗体は標的の検証を可能にするほか、小分子のスクリーニング検定を設計する手がかりを与えてくれるため、小分子の創薬のリスクを減らす情報を提供してくれる可能性がある。さらに、抗体を指標にすることで、伝統的に唯一、生物学的製剤の標的として扱いやすいと考えられてきたタンパク質間相互作用を調節する作用をもつ小分子を探索することもできる。現在使われている生物学的製剤と類似した治療効果を有する小分子の薬を開発することができれば、さまざまな病気について、より早期の段階で患者に恩恵をもたらすことができるだろう。

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