Review Article

多様な疾患において、インターロイキン1を阻害し、炎症を治療する

Nature Reviews Drug Discovery 11, 8 doi: 10.1038/nrd3800

インターロイキン-1(IL-1)は、痛みの閾値を低下させ、組織を損傷させる、きわめて活性の高い炎症性サイトカインである。自己炎症性症候群において、IL-1の活性を阻害する単独療法により、疾患の重篤度は、著しくかつ持続的に軽減する。すなわち、視覚や聴覚、器官機能の障害は好転するのだ。そのため、この治療法は心筋梗塞後に頻発する心不全などの症状の治療に有効と考えられ、現在、さまざまな疾患を標的とした臨床試験が行われている。これまでに、3種類のIL-1を標的とした薬剤が認可されている。IL-1受容体アンタゴニストのアナキシラ、可溶性デコイ受容体のリロナセプト、中和モノクローナル抗体の抗IL-1β抗体カナキヌマブである。さらに現在、IL-1受容体に対するモノクローナル抗体および抗IL-1α中和抗体の臨床試験が、それぞれ行われている。

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