Review Article
アレルギー、炎症などの疾患において好酸球を標的とする
Nature Reviews Drug Discovery 12, 2 doi: 10.1038/nrd3838
好酸球は局所免疫反応や炎症反応を調節することができ、好酸球の血液中や組織内への集積は、さまざまな炎症性疾患や感染症に関与している。そのため、好酸球を標的とする治療法により、喘息やアレルギーなどのアトピー性疾患などを抑制するだけでなく、自己免疫疾患や腫瘍など好酸球と直接関係のない疾患も抑制できる可能性があると考えられている。好酸球の分化、遊走および活性化などの特異的段階の阻害を標的した治療薬は、現在臨床試験段階に入っており、有望な結果が得られ、好酸球の役割についての洞察をもたらした。本稿では、好酸球を標的とする第一世代の治療法について最近の進展および開発状況を述べる。また、好酸球による疾患の治療を行う際、患者に合わせた薬剤を使用するという治療戦略についても述べる。