Review Article 薬物標的としてのアデノシン受容体 - 課題は何か? 2013年4月1日 Nature Reviews Drug Discovery 12, 4 doi: 10.1038/nrd3955 1940年代以降、アデノシンやその誘導体が治療薬として使用されるようになると、そのシグナル伝達経路が創薬の標的となってきた。さらに、カフェインのようなメチルキサンチン類は、アデノシン受容体のアンタゴニストとして強い生物効果を示す。また、ジピリダモールやメトトレキサートのような薬物は、アデノシン受容体の活性を増強することで効果を発揮する。アデノシンは多くの疾患で機能的役割を果たしているという強力な証拠が示されており、直接的あるいは間接的に個々のアデノシン受容体を特異的に標的とする薬理化合物の中には、現在臨床で使われているものもある。しかし、これまでに米国食品医薬品局(FDA)が承認したアデノシン受容体に特異的な薬剤は、アデノシンA2A受容体アゴニストのリガデノソン(商品名レキスキャン;アステラス製薬)のみである。本論文では、アデノシン受容体を標的とする薬理化合物開発の障害を特定するため、アデノシンシグナル伝達経路の生物学について焦点を当て、課題を克服するための戦略計画を検討する。 Full text PDF 目次へ戻る