Review Article
ミトコンドリア機能を回復させる薬理学的アプローチ
Nature Reviews Drug Discovery 12, 6 doi: 10.1038/nrd4023
ミトコンドリア機能不全は、まれな遺伝性ミトコンドリア病の特徴であるが、代謝・神経系に影響を及ぼす疾患(例えば、2型糖尿病やパーキンソン病)などの加齢性疾患にも関与している。ミトコンドリアの生合成、ミトコンドリアの動態、マイトファジー(ミトコンドリアのオートファジー)およびミトコンドリアの異常タンパク質応答(mitochondrial unfolded protein response)を含め、適切なミトコンドリア機能の維持または回復には、非常に数多くの経路が関わっている。ミトコンドリア機能のこうしたさまざまな局面を詳しく調べるため、多細胞生物だけでなく細胞に基づいたモデル系でも新しい強力な表現型検定法が開発されている。ミトコンドリア機能を調節する手法がいくつかの疾患の魅力的な治療戦略として登場しており、この分野での活発な創薬努力を促している。