Review Article
肝臓のグルコース代謝を標的とする2型糖尿病治療法
Nature Reviews Drug Discovery 15, 11 doi: 10.1038/nrd.2016.151
2型糖尿病は、グルコース恒常性の調節異常を特徴とし、その結果として高血糖が起こる。糖尿病の現在の治療法では、血糖値がある程度低下するが、その効果は常に持続するものではなく、低血糖のような望ましくない副作用が生じることもある。そのために既存の治療法と併用できる抗糖尿病薬の新薬が必要となっている。肝臓に対して特異的に作用して血糖値を正常値に戻すという方法については、その可能性が十分に活用されていない。本総説では、肝臓での糖新生とグリコーゲン貯蔵を制御する分子機構を概説し、それに関連する経路を標的とする2型糖尿病治療法の見通しを評価する。