Review Article
非アルコール性脂肪性肝炎:新規分子標的と新規治療戦略
Nature Reviews Drug Discovery 15, 4 doi: 10.1038/nrd.2015.3
非アルコール性脂肪性肝疾患は、最も一般的な慢性肝疾患で、単純性脂肪肝から非アルコール性脂肪肝(NASH)までの組織学的スペクトルが含まれる。NASHについては、今後10年間、肝移植が最も一般的な適応となることが予想されている。NASHには有効な薬物療法がなく、そのことが新規な治療法に関する研究を行う動機となっている。現在の研究の焦点は、核内転写因子の調節、脂肪毒性と酸化ストレスを標的とする作用物質、細胞のエネルギー恒常性と代謝と炎症応答の調節の各分野である。また、炎症と線維症の消散を増強する方法が、進行した肝疾患の治療法として有望視されている。