Perspective
がん免疫療法薬の開発 — CTLA4、PD1から次世代品まで
Nature Reviews Drug Discovery 15, 4 doi: 10.1038/nrd.2015.35
規制当局がイピリムマブを承認した2011年以降、がん免疫療法の分野が活力を取り戻している。がん免疫療法の成功は、(新たな研究方法の開発を含む)前臨床科学と臨床科学の進歩に立脚している。免疫腫瘍学は、その独特な科学的特性と大きな長期的臨床的有用性をもたらす可能性ゆえに腫瘍学の一分野となった。免疫療法薬は、腫瘍を直接攻撃するのではなく、免疫系を誘導すする。こうした誘導は、適応免疫や自然免疫を利用するさまざまな手法によって達成できる。そのため、がん免疫療法薬の開発には、抗体、ペプチド、タンパク質、低分子、アジュバント、サイトカイン、腫瘍溶解性ウイルス、二重特異性分子、細胞療法などの広範な作用物質が含まれている。このPerspectiveでは、がん免疫療法の最近の進展(その隆盛のもたらした諸要因を含む)を概説し、新薬開発で考慮される諸要素を概観し、2011年以降に開発された3つの世代の免疫療法を概説した上で、こうした新世代の免疫療法が意味している広大な機会について解説する。