Perspective
前臨床心臓安全性評価を改善するための方法の進化
Nature Reviews Drug Discovery 15, 7 doi: 10.1038/nrd.2015.34
心臓に対する安全性の問題を早期に効率的に評価することは、確信を持って新薬候補を推進する上で欠かせない。本論文では、in vitroのヒトイオンチャネルアッセイ、ヒトに関するin silicoでの再構築やヒト胚性幹細胞由来の心筋細胞を用いて薬物性の電気生理学的構造的心機能毒性を検出することを目的とした、機構に基づいた前臨床的方法の進化について論じる。こうした新しい方法は、Kv11.1電流(別名hERG電流、またはIKr)の遮断を測定するための、単純化されたin vitroアッセイや非ヒト種の細胞や組織の利用に依存する現在の手法からのパラダイムシフトを意味しており、正真正銘の心機能毒性リスクの早期検出の感度と特異性を高める能力を秘めている。これにより、有力な薬物候補が誤って放棄される可能性が減り、価値ある薬物の臨床試験への移行が加速する。