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小さな分子の大きな標的:創薬が直面するタンパク質間相互作用という課題
Nature Reviews Drug Discovery 15, 8 doi: 10.1038/nrd.2016.29
タンパク質間相互作用(PPI)は、生物システムの制御に極めて重要で、そのために病的状態の発生に関係があるとされている。医薬品化学者によるPPI阻害剤開発の取り組みでは、適切な手段により特定の種類のPPIに対する阻害剤が得られることが最近の研究で明らかになり始めており、初めてのPPI阻害剤の臨床開発が始まっている。本総説では、こうしたブレークスルーをもたらした研究について説明し、標的群のPPIにおいて構造的に類似したPPI群が存在していることを明確に示す。また、これらのPPI群のそれぞれについて、創薬の成功事例を用いて、極めて有用なことが判明した研究戦略を説明する。