Review Article

腫瘍学においてNotchを標的とする:今後の方向性

Nature Reviews Drug Discovery 20, 2 doi: 10.1038/s41573-020-00091-3

シグナル伝達は、がん生物学において、血管新生、腫瘍免疫、がん幹細胞様細胞の維持など、多くの局面に関与している。その上、Notchは、さまざまながんや、同じ腫瘍の中の異なる細胞集団において、がん遺伝子として機能することもあれば、がん抑制遺伝子として機能することもある。有望な前臨床結果および早期臨床試験にもかかわらず、臨床で用いることのできる安全で、効果が高く、腫瘍選択的なNotch標的薬剤を開発するという目標はいまだ達成されていない。しかし、特定のがん、個々のがん症例、異なる細胞集団におけるNotchシグナル伝達およびシグナル伝達経路間のクロストークの理解はますます深まっており、Notchを標的とした新しい試験治療薬の発見と開発が可能となっている。

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