Review Article

疾患における酸化ストレスを標的とする:抗酸化療法の将来性と限界

Nature Reviews Drug Discovery 20, 9 doi: 10.1038/s41573-021-00233-1

酸化ストレスは、アテローム性動脈硬化、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、がんなど、さまざまな疾患の原因である。前臨床試験では、抗酸化剤として評価された数多くの小分子が治療可能性を示しているにもかかわらず、臨床試験の結果は期待はずれに終わっている。抗酸化剤がどのような機構で作用し、それらがいつどこで効果を発揮するかについての理解を深めることで、より大きな薬理学的成功につながる合理的なアプローチが得られる可能性がある。本総説では、酸化ストレスと酸化還元シグナル伝達と疾患の関係、酸化ストレスが病態に寄与し得る機構、抗酸化剤による防御が働く仕組み、抗酸化剤による防御の有効性を制限する要因、生理学的シグナル伝達や食餌の成分、可能性のある医薬品による介入を通して抗酸化剤による防御を高める仕組みについて概説する。

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