Review Article

がん免疫療法における小分子の役割の拡大

Nature Reviews Drug Discovery 21, 11 doi: 10.1038/s41573-022-00538-9

PD1およびそのリガンドPDL1に対する抗体を用いた免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が登場したことで、補完的に作用する薬剤の開発が盛んに行われるようになった。その多くは、補助的なチェックポイントタンパク質に対する抗体だが、細胞内経路を標的とする小分子免疫腫瘍剤への関心が高まっており、その一部は最近、臨床試験に入っている。これと並行して、がん細胞や腫瘍微小環境の腫瘍発生促進経路を標的とする小分子が、ICI抗体の作用と相乗的に働いて免疫刺激効果を示すことが明らかになり、こうした薬剤を併用する治療レジメンの承認が増加している。がん代謝、サイトカイン/ケモカイン経路、自然免疫経路、T細胞チェックポイントを標的とした小分子との併用が、現在調べられている。本総説では、医薬品開発のこの分野における最近の画期的出来事や障害、そしてこれから進むべき最良の道筋に関する我々の見解について議論する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度