Research Press Release
【天文学】天の川銀河の中心に多数のブラックホール
Nature
2018年4月5日
天の川銀河の中心にブラックホールの集団が存在していることを示唆する観測結果を報告する論文が、今週掲載される。
大型の銀河の中心近くにある超大質量ブラックホールは、恒星質量ブラックホールのクラスターに取り囲まれていると予測されている。しかし、地球に最も近い超大質量ブラックホールである「いて座A*(SgrA*)」が位置する銀河系中心の探索では、この予測は裏付けられていない。
今回、Charles Haileyたちの研究グループは、チャンドラX線観測衛星に搭載された宇宙望遠鏡で得たデータのアーカイブを使って、Sgr A*から1パーセク(約3.3光年)以内に低質量X線連星系(ブラックホールなどの天体によって構成される連星系)を発見したことを報告している。Haileyたちは、これらのX線連星系の特性と空間分布から、天の川銀河の中心から1パーセク以内に連星系に関連する数百個のブラックホールが存在し、より多くの孤立したブラックホールも存在していることが示唆されたとしている。
doi:10.1038/nature25029
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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