Research Press Release
海氷が水銀の分解を妨げている
Nature Geoscience
2011年1月17日
海氷の存在は毒性のある水銀化合物が海洋中で分解することを妨げているとの報告が寄せられている。この発見は、今世紀に北極海の海氷が継続して失われているために、表層水中で毒性水銀化合物の分解が加速していることを示唆している。
D Pointらは、海鳥の卵中に含まれる水銀の化学組成を分析し、海水中の水銀組成を突き止めた。彼らは、日光による水銀化合物の分解が海氷が広範に覆っている領域では減少することを示している。大気からの水銀の堆積は産業革命以前の時代から3倍増加しており、北極地域では特に顕著となっている。
doi:10.1038/ngeo1049
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:遠い昔に存在していたナイル川のアフラマト支流沿いに建設されたエジプトのピラミッド群Communications Earth & Environment
-
工学:トカゲにヒントを得た建物系は全倒壊を免れるかもしれないNature
-
動物行動学:雄マウスの仔育てに影響を及ぼすかもしれない細胞Nature
-
進化学:バオバブの系譜をたどるNature
-
気候:2023年の夏は2000年に1度の暑さだったNature
-
健康:高齢者の暑熱曝露のリスクが大きくなるNature Communications