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熱変性を利用してファージ上で選択した凝集しにくいドメインをもつ抗体

Nature Biotechnology 22, 9 doi: 10.1038/nbt1000

熱変性を利用した凝集しにくいタンパク質の選択法を紹介する。例として用いた抗体重鎖可変領域(dAb)には凝集しやすい性質がある。このdAbを繊維状バクテリオファージの感染性先端に多価的に提示し、短時間加熱して立体構造をほどくとともに凝集を促進させた。冷却後、プロテインA(折りたたまれたdAbの一般的リガンド)との結合を利用してdAbの選択を行った。これによってファージが提示するdAbは、立体構造のほどけ方が非可逆的なものに対して可逆的なものが増大した。ファージ上の各種dAbから6種類を選択して性質を調べたところ、いずれも凝集しにくく可溶性を示し、細菌中で十分量発現させて高収率で精製することができた。この方法は凝集しにくいタンパク質の作製に有用と考えられ、誤った折りたたみに起因する疾患をもたらすものを含めてタンパク質凝集の促進および抑制を司る特徴を見出すのに役立つであろう。

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