Article 表面増強共鳴ラマン散乱を用いた迅速で超高感度な酵素活性測定法 2004年9月1日 Nature Biotechnology 22, 9 doi: 10.1038/nbt1003 生体内濃度で酵素の活性および選択性を測定することは、診断、機能プロテオミクスおよび定向進化などの分野にとってきわめて有意義である。本論文では、銀ナノ粒子を測定に用いる表面増強共鳴ラマン散乱(SERRS)で超低濃度の加水分解酵素の活性を検出する方法を示す。この方法は、反応前にはSERRSで全く検知されない「マスキングした」酵素基質を設計することによって可能となった。酵素によって基質が代謝回転すると粒子表面を標的として結合する色素が遊離し、酵素活性に比例して強いSERRSシグナルが発生する。リパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼなどの酵素14種類にこの方法を適用すると、相対活性およびエナンチオ選択性が迅速に評価された。この技術の感度は、現方式で酵素分子500個を検出するのに十分なものであるが、単一細胞内にある量のさまざまな酵素の活性を同時に検出することができるようになる可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る