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正常細胞の炎症死を利用した定着腫瘍の簡便な治療法

Nature Biotechnology 22, 9 doi: 10.1038/nbt1007

定着した転移性疾患を治療する簡便な方法を紹介する。細胞特異的な有害遺伝子をコードするプラスミドDNAをhsp70 DNAとともにマウスに皮内注射したところ、正常メラニン細胞の組織特異的な炎症死が促進されるのみならず、CD8+ T細胞依存性の抗原特異的反応が誘導され、全身に定着したB16腫瘍が消滅した。こうしたCD8+ T細胞の反応は、その後in vivoで数日以内に抑制された。この結果は、正常組織を意図的に破壊することによって同じ組織に由来する悪性疾患に対する免疫が形成可能であることを示している。この方法では腫瘍抗原を同定する必要がなくなり、腫瘍細胞およびその派生物の煩雑な単離が不要である。またこの方法は、自己免疫疾患の病因および制御の基礎をなすメカニズムを研究するためのモデル系となる。さらに、正常組織を標的とするにもかかわらず治療で明らかな自己免疫症状の発現が認められなかったことから、この方法は、必須かどうかによらずあらゆる組織に由来する腫瘍に有効である可能性がある。

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