Perspective

再生医療の臨床イメージング

Nature Biotechnology 32, 8 doi: 10.1038/nbt.2993

再生医療では、損傷組織の解析、ならびに治療の安全性および有効性の評価に臨床イメージングが不可欠である。しかし現在の技術では、移植細胞の運命および機能を十分に追跡することができない。ナノ粒子などの外因性造影剤標識は、短期的には強力なシグナルを発するが、長期的な信頼性が低い。遺伝子にコードされた標識は、動物では短期的にも長期的にも良好に機能するが、ヒトの場合は、ゲノム組み込みの安全性およびレポータータンパク質の潜在的免疫原性に関連する規制上の問題が持ち上がる。脳、心臓、および膵島のイメージング研究には、検出閾値を改善するための新規標識法の開発ならびに毒性および機能の迅速な見極めなど、共通する一連の課題が存在する。将来の重要な研究領域には、遺伝子標識に伴う安全性の懸念の解決や、細胞の生存、分化、および宿主組織への組み込みを追跡する方法の開発などがある。イメージングは、長期的モニタリングによって作用機序を明らかにすることで、細胞療法と健康上の転帰とを結び付ける可能性がある。

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