SDGs

人類の活動は、急速な気候変動や環境汚染を招いています。こうした問題は貧富の格差をますます広げ、そして貧困は争いを生みます。このままでは、人類は地球で暮らし続けることができない。そうした危機感から、193の国連加盟国は2015年9月、2030年までに達成すべき目標として17のゴール「SDGs(持続可能な開発目標)」を設けました。SDGsは、人間、地球、豊かさ、平和、パートナーシップを柱に構成されています。このCollectionでは、SDGs関連記事のうち、地球環境・エネルギー生物学的性差・ジェンダー差以外の関連記事を一覧にしています。

  • ペプチドと水でできた自己修復ガラス

    単純なペプチドが、水と無秩序に相互作用することで、接着剤にもなる透明な自己修復ガラスを形成することが見いだされた。今回の知見は、従来のガラスの持続可能な代替品開発への道筋を示している。

    2024年9月号

  • 国連プラスチック条約策定の重大な局面で科学が「ダウンサイクル」されている

    プラスチック汚染に取り組むには強固な科学的基盤が必要だが、研究者の声はロビイストの声にかき消されている。

    2024年7月号

  • 窒素を固定できる藻類が初めて発見された

    窒素ガスを有用な化合物に変換する「細胞小器官」によって、肥料必要量の少ない植物が実現するかもしれない。

    2024年7月号

  • 持続可能な森林管理は野生動物を救う

    既に伐採の進んでいる熱帯林が森林管理協議会(FSC)の認証を得ることは保全にとって有益なのか。今回、アフリカで行われたFSCの認証林と非認証林の比較調査によって、こうした認証制度が熱帯林の生物多様性の保全に役立つことが示された。

    2024年7月号

  • 世界のSDGsの進捗状況を知っていますか?

    国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2030年までに極度の貧困を終わらせ、環境をきれいにし、人々の幸福度を高め、平等を推し進めることを目指している。

    2023年12月号

  • 不平等の是正はSDGs全体の実現にとって有益

    世界のリーダーに対して不平等を是正するための行動を強く要請している人々は、これまでの取り組みが政策変更に結び付かなかった理由を詳しく調べるべきだ。

    2023年11月号

  • SDGsを救うために今すぐ行動を

    地球に代わる「プラネットB」は存在しない。それなのに、人類を今よりも持続可能な道に導くための最大の好機が、暗礁に乗り上げようとしている。

    2023年9月号

  • 自然の恩恵を、都市の全ての人に平等に届けるには

    世界有数の大都市、東京。この地で2023年2月28日、都市と自然との間の複雑な問題を解決に導く方法、そして人と自然が共存共栄する方法を探るシンポジウム「都市、自然、持続可能な開発目標(SDGs)」が開催された。

    2023年8月号

  • Andrea Terán-Valdez

    Andrea Terán-Valdezは、ハムバトゥ両生類研究保全センター(エクアドル・サンラファエル)の保全生物学者

    2023年8月号

  • 研究活動のCO2排出量はいか程?

    天文学から生物学まで、さまざまな分野の科学者が 研究活動のCO2排出量を意識し始め、脱炭素化に取り組んでいる。

    2023年7月号

  • プラスチック汚染危機を解決する3つの方法

    研究者たちは、政策、リサイクル技術、新素材という3つのアプローチからプラスチック廃棄物問題の解決策を探っている。

    2023年7月号

  • 大気汚染ががん化を促進する仕組み

    微粒子による刺激が炎症環境を作り出し、それが引き金となって、肺に既に存在している遺伝子変異を持つ細胞の増殖が促進されることが、マウスを使った研究で示された。

    2023年7月号

  • 人新世の定義を目指す地質学者たち

    人類の活動によって特徴付けられる地質時代の始まりを明示する基準地として、現在9つの候補地が選定されている。

    2023年4月号

  • コウモリからヒトへウイルス伝播が繰り返されるわけ

    致死性の感染症を引き起こすヘンドラウイルスは、まれにコウモリからヒトへと「スピルオーバー」する。その仕組みが、画期的な研究で明らかになった。

    2023年2月号

  • 生態系の新たなカタログ

    地球の生態系に関して、生物種の分類に用いられているリンネ式の階層的な体系とよく似た、決定的な分類法が開発された。多大な努力によって得られたこの成果は、今後数十年にわたって保全活動の土台となる可能性がある。

    2023年1月号

  • 英国でポリオウイルス検出

    ロンドンでワクチン由来のポリオウイルスが広がっている可能性がある。ポリオの予防接種は今もなお、世界中で必要だ。

    2022年10月号

  • 研究による危害を許さない

    シュプリンガー・ネイチャーの編集者は被験者を要する研究に限らず、ヒト集団に関連する全ての研究において、研究により危害が及ぶ潜在的な可能性を検討するよう、論文著者に要請します。

    2022年9月号

  • 生態系の経済的価値評価の25年間

    世界の生態系がもたらす経済的な価値は、1997年に初めて見積もられたが、この研究にはさまざまな反響があった。生態系の経済的価値の評価はそれからどのように進んだのだろうか? そうした価値を意志決定に用いる最前線は今、どうなっているだろうか?

    2022年9月号

  • 貧困を減らす方法を求めて

    科学者たちは、不平等や貧困への対策の効果を無作為化比較試験で検証してきた。その知見は、これらの問題に取り組む政府や支援機関の研究方法や実践方法を変えつつある。

    2022年9月号

  • 再生可能エネルギーを必要とする北極圏の人々

    研究者たちは、北極圏の過酷な条件にも耐えられる風力発電装置や太陽光発電装置の設計に取り組んでいる。

    2022年8月号

  • 菌類由来の代替タンパク質の環境的利益

    牛肉の代わりに微生物由来の「マイコプロテイン」を食べるようになれば、環境への悪影響はどれだけ軽減されるのだろうか。今回、複数のシナリオを用いたモデル化研究によって、そうした転換が、森林伐採や二酸化炭素排出を大幅に削減できることが示された。

    2022年8月号

  • プラスチックのリサイクルに最適な酵素

    ポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物は食品包装に適した材料に再生可能だが、現在そうしたリサイクルは飲料用のPETボトルなどに限定されている。今回、リサイクル原料の選択肢を大きく広げる酵素が、機械学習を用いて開発された。

    2022年7月号

  • プラスチック汚染に関する国際条約策定には、科学を最重視すべし

    プラスチック汚染を根絶するための条約を目指す国連環境総会の決議は、前向きな一歩だ。

    2022年6月号

  • 成長の限界を巡る50年の論争に終止符を

    研究者たちは、地球の資源を利用しつつ維持管理するための最善の方法とは何なのかという論争を解決しなければならない。

    2022年5月号

  • 尿のリサイクルが世界を救う

    下水から尿を分離することで、難しい環境問題のいくつかが緩和され、持続可能な形で肥料を供給することができると期待されている。しかし、生活の最も基本的な側面の1つを根本的に作り替えるには大きな障害がある。

    2022年4月号

  • ガラスはカーボンニュートラルな未来にとっての隠れた宝石だ

    ガラスは、リサイクルしても劣化しないし、カーボンフリーのガラスも製造可能だ。それなのに、なぜ各国でガラスが地中に埋められてしまうのだろうか?

    2022年2月号

  • 東京栄養サミット2021で「日本の栄養」を世界へ!

    第二次世界大戦終戦前後まで、日本を悩ませた問題は「栄養の欠乏」だった。ところが、その問題は1960年代ごろから「栄養の過剰」へと急速に変化する。中村丁次氏は、この両極端な問題を解決して健康寿命の延伸を成し遂げるべく、日本で最初の栄養相談室を開設し、健康な食事を研究、指導してきた。日本の経験は、世界の栄養不良問題の解決に役立つはずだ。そう考えた中村氏は、東京栄養サミット2021に先立ち、日本の経験を科学的見地からまとめた『ジャパン・ニュートリション』を出版した。

    2021年12月号

  • 食料システム:飢餓を終わらせ、地球を守るための7つの優先課題

    世界の人々の栄養状態を改善し、環境を保護するために、国連は科学技術をどのように活用すべきか? 国連食料システムサミット2021の科学グループの委員長らによる寄稿。

    2021年12月号

  • アフリカの言語で科学を論じる

    一般的な科学用語の多くは、アフリカの言語で表記することができない。アフリカ各地の研究者たちが、そんな状況を変えようとしている。

    2021年11月号

  • 世界の「ブルー」フードシステムを利用して飢餓に終止符を打つ

    水生生物性食料は、食料安全保障にさまざまな寄与をしてきたが、これまで研究者や政策当局者に顧みられてこなかった。今こそ、正しく認識されるべきだ。

    2021年11月号

  • マイクロプラスチックは有害なのか?

    あらゆる場所で見つかるマイクロプラスチック。海洋生物や私たちの体内に見つかるこの微小なプラスチック片がどのような影響を及ぼすか、研究者たちは大急ぎで調査を行っている。

    2021年8月号

  • 地球環境問題に挑む若手研究者たちがフィル・キャンベルから得たヒント

    2021年3月、京都大学の若手研究者4人とシュプリンガー・ネイチャー編集長のフィリップ・キャンベルが、「学問の挑戦と機会:若手研究者とSDGsを越えた先の未来を見据えて」と題する座談会で議論を戦わせた。この座談会は4人に何をもたらしたのか。後日、彼らに話を聞くことができた。

    2021年8月号

  • 完全なリサイクルを可能にするバイオマスプラスチック

    プラスチックは極めて有用で現代社会に不可欠な材料だが、貴重な石油資源を原料とし、完全なリサイクルが難しく、環境中に残り続ける。今回、巧妙な分子レベルの設計によって、これらの問題全てを解決し得る、バイオマス由来の高性能プラスチックが開発された。

    2021年5月号

  • ジャガーの牙が狙われている

    ジャガーの体の一部の国際取引は禁止されている。だが、中国での需要の高まりを受け、その牙の違法取引の存在が明るみに出てきた。

    2018年6月号

  • 「マイクロプラスチック」がカキの生殖系に及ぼす影響

    プラスチックの微粒子「マイクロプラスチック」を体内に取り込んだカキは、生殖能力が低下することが実験で示された。プラスチックによる海洋生態系の破壊について、懸念がますます高まっている。

    2016年4月号

  • 海洋汚染と引き換えの美しい肌なんていらない

    洗顔用スクラブなどに含まれるプラスチック製マイクロビーズは深刻な海洋汚染物質であり、早急な段階的廃止を求める。

    2015年12月号

  • 海のプランクトンが雲を作る

    海洋上の大気中には、海面での泡の破裂などによって海洋生物由来の微粒子が舞い上がり、漂っている。今回、海の植物プランクトンなどに由来する微粒子が核となり、空気中の水分の凍結を促して氷雲(氷の微小な結晶でできている雲)を発生させていることが分かった。特に高緯度の海域では、これまで考えられていたよりも高い温度や低い湿度であっても氷雲が発生するとみられる。

    2015年12月号

  • バイオ炭は地球と人類を救えるか

    生物資源から作られる土壌改良材「バイオ炭」が、農作物の収穫量を増やし、土壌や水の汚染を抑制するとして、世界的なブームの兆しを見せている。古くから籾殻を炭化して燻炭と呼び活用してきた日本人にとっては馴染み深いものだが、世界に知られるようになったのはごく最近で、その科学的な検証は始まったばかりだ。

    2015年4月号

  • 明確になった地球温暖化と水の危機

    気候変動が地球全体に及ぼす影響を検証する初の包括的かつ国際的なプロジェクト「ISI-MIP」が始動し、最初の結果が報告された。そこから、主要な懸念は水の危機であることがはっきり見えてきた。

    2014年4月号

  • 新気象予報システムがアフリカを救う?

    アフリカのギニアで、携帯電話の中継塔を利用して雲間放電を観測し、そのデータに基づいて暴風雨を予報するプロジェクトが進められている。つまり、「雷センサー」による気象予報だ。この気象予報システムは気象レーダーを使わないため低コストで済む。

    2014年1月号