アーカイブ検索
キーワード
セクション
-
瞬く間で細胞コミュニケーション
原生生物と呼ばれる単細胞生物の体は、超高速で収縮することができる。収縮で生じる周囲の液体の流れが近くの原生生物の連鎖的な収縮を引き起こすことが、分析によって明らかになった。
-
老化した脳ではT細胞が神経幹細胞を抑制
加齢に依存した環境変化により、幹細胞の機能が低下する可能性がある。このほど、老齢マウスの脳ではT細胞が浸潤し、それにより神経幹細胞が機能不全に陥っていることが分かった。この知見から有望な治療標的が示された。
-
代謝シグナルががん細胞の移動を抑制する
転移、つまり腫瘍細胞が原発部位から移動することは、予後不良と関連している。細胞代謝の際に作られる分子(代謝物)が転移を制限し、がんの進行を抑制することが明らかになった。
-
極北のヒト系統
最終氷期、人類はシベリア北東部からアメリカ大陸に達した。古代人と現代人のゲノムを解析することにより、それらの地域に存在した人々の集団史が明らかになった。
-
いたずらな微生物
細菌が医薬品を代謝できるかどうか、さまざまな腸内細菌と広範な種類の医薬品について試験したところ、全ての細菌が複数の医薬品を代謝し、さらに、半数を超える医薬品が代謝されることが分かった。
-
プレートテクトニクスの発展に堆積物が貢献
地球のプレートテクトニクスの出現と発展は、大陸の隆起と、大陸縁と海溝での堆積物の蓄積が関係していたという、斬新なアイデアの証拠を与える研究結果が報告された。
-
室温に近い超伝導
電気抵抗ゼロで電流が流れる現象、超伝導を室温で示す物質を、研究者たちは1世紀にわたって探し続けてきた。今回、これまでで最も高温の約250ケルビン(K)での超伝導を裏付ける実験結果が得られた。
-
なぜ褐色脂肪には多くの神経が分布しているのか
哺乳動物の褐色脂肪は、熱を発生させることで、蓄積されていたカロリーを燃やす。この過程は、褐色脂肪組織に侵入している神経によって制御される。褐色脂肪の神経分布と熱発生を調節するタンパク質が発見された。
-
コドンを修正した大腸菌ゲノムの全合成
アミノ酸をコードするコドンの種類を通常より少なくした、これまでで最大の合成ゲノムが作製された。この成果により、非天然のアミノ酸残基を含むタンパク質をゲノムにコードできる可能性が高まった。
-
タンパク質でできたアルキメデスの立体
天然のタンパク質を改変して金属と相互作用させることで、生体分子では前例のない特異な構造を持つケージ状集合体が作製された。
-
サンゴの共生には3種の生物が関与
DNA解析と顕微鏡観察から、サンゴの共生に第3の生物が関わっていることが明らかになった。多くの生態系を支える共生関係の機能や進化の複雑さを改めて浮き彫りにする知見だ。
-
暗黒物質検出器が極めて稀な原子核崩壊を観測
宇宙の「行方不明の質量」であるダークマター(暗黒物質)を探すために設計された、液体キセノンを用いた検出器が、「2ニュートリノ二重電子捕獲」と呼ばれる稀な原子核崩壊を観測した。この結果は、原子核物理学と素粒子物理学に密接に関係する。
-
アンモニア合成の新たな道
肥料の原料となるアンモニアは人間社会にとって不可欠だが、その製造にはエネルギーの大量消費、二酸化炭素の大量排出、多額の初期設備投資が伴う。今回、常温常圧で進む興味深い反応が開発されたことで、エネルギー効率の高い代替アンモニア合成法が実現される可能性が示された。
-
ノックアウトよりもノックダウンの方が影響が出る訳
コードされたタンパク質の短縮を引き起こす遺伝子変異(ナンセンス変異)は、関連遺伝子の発現を誘導する場合があることが分かった。この補償応答の発見は、ヒトやモデル生物の遺伝学的研究に関するこれまでの考え方を変えることになるだろう。
-
マラリア原虫を蚊体内で死滅させる
殺虫剤を使った蚊の駆除はマラリアとの闘いに貢献してきたが、殺虫剤耐性が深刻化している。このほど、宿主である蚊をマラリア原虫を標的とする薬剤に曝露させる方法が考案され、モデル研究でその有効性が示唆された。
-
セロトニンは核に移行してヒストンを修飾する
ヒストンタンパク質の機能は、特定の化学基の付加や除去によって修飾され得る。今回、セロトニン分子の付加という新たなヒストン修飾が見つかった。この修飾も他のヒストン修飾と同様に、遺伝子発現に影響を及ぼすようだ。
-
コウモリインフルエンザウイルスの宿主細胞受容体の特定
コウモリインフルエンザウイルスが宿主細胞に感染する仕組みはこれまで分かっていなかった。今回、このウイルスが、MHCクラスIIタンパク質という広範な生物種に存在する細胞受容体に結合することが明らかになり、ヒトに対する潜在的リスクの懸念が浮かび上がった。
-
ずらして重ねると輝きを放つ二次元材料
2種類の単原子層材料を重ね合わせて得られるモアレ超格子構造では、光学特性をねじれ角のみで変化させられることが4例の研究から明らかになり、こうした二次元ヘテロ構造が秘める大いなる可能性が示された。
-
中性子と陽子が核内で変化する理由
中性子や陽子の構造は、原子核内にあるときには変化していることが分かっている。この現象の原因は長く分からなかったが、今回、1つの説明を支持する決定的な実験データが得られた。この結果は、原子核物理学に幅広く影響するかもしれない。
-
恐怖を忘れることを学ぶ脳
EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)と呼ばれる治療法は、外傷後ストレス症候群の症状を軽減するが、そのメカニズムは謎に包まれている。マウスを使った研究で、このアプローチの生物学的基盤に関する有望な手掛かりが得られた。