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全能性幹細胞の誘導と維持が可能になるかもしれない
哺乳類の発生の最初期段階では、個々の細胞が新たに個体全体を形成する無制限の潜在能力を持っている。研究者らは、こうした細胞を実験室で増殖させるという目標に近づきつつある。
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光合成の水分解過程を最新技術でひもとく
結晶構造解析、分光法、量子化学計算の最新ツールを用いることで、光合成の水分解反応を触媒する複合体の、これまで謎に包まれていた一連の中間状態が明らかになってきた。
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金属酸化物のケージでアメリシウムを捕らえる
使用済み核燃料から放射性元素アメリシウムを分離できれば、核廃棄物の長期的な危険性を低減できると思われる。今回、高酸化状態のアメリシウムと選択的に結合する無機分子ケージによって、新たな分離戦略の可能性が開かれた。
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髪色を維持する幹細胞は上下に動いて分化のドグマに逆らう
メラノサイト幹細胞は、毛髪の成長に合わせて毛包で上下に移動し、存在する場所によってメラノサイトに分化したり、幹細胞のアイデンティティーに戻ったりすることが観察された。この観察結果は、成体幹細胞についての長年の仮説に疑問を投げ掛けている。
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染色体外DNAはがん化の前から出現している
染色体外DNAと呼ばれる環状DNAの一種は、がん組織でのみ観察されると考えられていた。このDNAが、がん化する前段階の組織から見つかり、早期から悪性化に積極的に関与している可能性が示唆された。
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ガンギエイの「翼」の起源が明らかに
ゲノムの塩基配列を解読し、さらにゲノム領域間の相互作用がどのように行われるかを推定して、ガンギエイなどエイ上目魚類に特徴的な翼状のヒレが、2億年以上前にどう進化したのかに関する知見を得た。
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細菌の収縮注入系を改変して細胞内へタンパク質を送る
細菌の収縮注入系を再設計することで、タンパク質を哺乳類細胞内に送り込むための「プログラム可能な系」が開発された。このシステムはカスタマイズ可能であることから、多数の生物医学用途への扉を開く。
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オウムアムアの不可解な動きを説明できる現実的なモデル
初の恒星間天体であるオウムアムアからは、一見矛盾した観測結果が得られている。今回、この謎めいた天体の数々の特異性を単純かつ物理的に現実的な枠組みで説明することのできるモデルが提示された。
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培養で起こる染色体異常を利用して、雄マウス細胞から卵を作製
マウス幹細胞は、培養しているうちに染色体を獲得あるいは喪失する傾向がある。この事象を利用して、雄のXY細胞をXX細胞に転換した後、この細胞を分化させて機能的な卵を作り出し、仔を出生させることができた。
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常温常圧での超伝導へさらに一歩
電気抵抗ゼロで電流が流れる超伝導物質にとって、室温かつ大気圧で超伝導状態になることは、多くの技術的応用のために必要な条件だ。そうした常温常圧で超伝導状態になる物質として、水素を多く含んだ物質が有望であることを示す結果が得られた。
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活性化された免疫細胞が神経変性を促す
アルツハイマー病の特徴であるタウタンパク質が凝集したモデルマウスの解析により、免疫細胞が協働してタウ関連神経変性を促すこと、また、すでに臨床で使われている薬剤がこの疾患に有効である可能性が明らかになった。
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腸内細菌が腫瘍の治療成績に影響を及ぼす
腸内細菌が産生する分子が免疫細胞に作用することで、膵臓がんに対する化学療法の奏効率が向上することが分かった。この発見は栄養学的介入により治療成績を改善できる可能性を示している。
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古代エジプトミイラのレシピ
古代エジプトのミイラ製作には、どんな材料が用いられ、どんな工程があったのだろうか。防腐処理作業場から見つかった文字ラベルが刻印された土器を分子レベルで分析することにより、その問いに対していくらかの答えが得られた。
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糖尿病の合併症はセリンの欠乏が引き起こす
感覚神経の機能障害は、糖尿病の三大合併症の1つである。今回、糖尿病性神経障害が、アミノ酸であるセリンの欠乏により引き起こされること、また、その治療にセリンの補給が役立つ可能性が、マウスでの研究で示唆された。
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ひねりを加えて固体中の電子を探る
2枚の二次元シート間の角度を自在に変化させて電子物性を調べることができる、概念的に新しい実験技術「量子ツイスティング顕微鏡」が開発された。この技術は、エキゾチックな層状材料の電子物性を研究する新たな視点をもたらす。
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地球に優しい自力穿孔型種まきロボット
天然の種子をヒントに、雨にぬれると自ら土壌中に潜っていくことができるロボットが設計された。その仕組みは、湿度で形が変わる木材の特性を利用している。これは、持続可能なイノベーションのシンプルでエレガントな好例だ。
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細胞アイデンティティーの調節因子を予測する
胚発生過程において遺伝子のネットワークがどのように相互作用して細胞アイデンティティーをプログラムするかを予測できるCellOracleと呼ばれる計算ツールが開発された。このツールは、発生が調節される仕組みの研究に磨きをかけるであろう。
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羽毛恐竜の発見から25年
鳥類の起源に関する我々の理解は、1998年に発表された、羽毛恐竜の存在を示す化石に関する論文によって大きく前進した。この論文は、同年発表された別の2種の羽毛恐竜化石についての論文と共に、古生物学界に一大センセーションを巻き起こした。