2025年1月号Volume 22 Number 1
食事による健康増進と病気治療
食事と免疫系の関係について、科学的根拠が不足しているとされてきたが、最近の革新的な研究により、その理解が進んでいる。これらの研究は、肥満や自己免疫疾患、がんなどの治療における個別化栄養の可能性を示している。ヒトでの試験は困難だが、厳密な臨床研究を通じて、食事療法が未来の医療に貢献することが期待される。
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協力と学際性:SDGsを再び活気づけるための取り組み
東京大学とシュプリンガーネイチャーが共同で開催する2025年のシンポジウムでは、ジェンダー公平性ならびにこの課題と持続可能な開発目標(SDGs)の関わりをテーマに取り上げる。
Editorial
Research Highlights
リサーチハイライト
「2匹が1匹になる:クシクラゲは融合できる」「シベリアの王族の墳墓から「幽霊騎手」の証拠発見」「幼児は幼児のやり方で新型コロナと闘っている」「3Dプリンターで製作でき部品を組み替えられる顕微鏡」、他。
News in Focus
タイリング可能な新しい形状群を発見!
丸い角と尖った端部を持つ「ソフトセル」が、それだけで平面を隙間なく埋められる、新たなタイル形状であることが示された。このパターンは、玉ねぎや貝殻など身近な構造に広く見られる。
博士課程研究はメンタルに良くない
スウェーデンの博士課程学生は、修業年数が長くなるほどメンタルヘルスサービスを利用する割合が増えていた。
初期の査読の舞台裏
このほど20世紀中頃の査読報告書が公開され、コスト削減や査読者の休暇、画像編集についての当時のやりとりが明らかになった。
ノーベル賞の創設が現代だったらどう違っていた?
権威あるノーベル賞が、21世紀にふさわしい賞として現代に創設されるなら、全く違ったものになるかもしれない。
包帯不要? 神経への電気刺激で出血を抑制
「神経止血帯」は血栓の安定性を高めることが、ヒトでの試験で確認された。
世界初、幹細胞治療で女性患者が1型糖尿病から回復
この女性は、この種の幹細胞移植を受けた初めての1型糖尿病患者である。
疑わしい論文の割合が高い学術誌
サイティリティー社の研究公正ツールArgosは、研究不正の記録がある著者が関わっている論文を発見して出版社に注意を促す。
Features
食事で免疫系をコントロールできるか?
健康の増進や病気の治療を目指して、食事と免疫応答の関連が調べられている。
赤ちゃんを作るのに必要なエネルギーはどのくらい?
これまでのモデル化研究では、動物界全体を通して、生殖にかかるエネルギーコストが大幅に過小評価されてきた。
News & Views
隕石の大半の源は3つの若い小惑星族
最もありふれたタイプの隕石の起源は、以前考えられていたよりもずっと最近に起こった、少数の小惑星衝突に絞られた。
ヨーヨーダイエットは心血管疾患を促進させる
ダイエットの繰り返しは心臓発作のリスクを高めるのだろうか。マウスでは、高脂肪食と低脂肪食を交互に与えると、体内の自然免疫応答が変化することにより、動脈内のプラークの形成が促進された。
2種類のタンパク質が絡み合ってできたフィラメント
1種類のタンパク質から構成される異常なフィラメントは、神経変性の特徴である。今回、構造研究から、2種類のタンパク質が絡み合ってできたフィラメントが見つかり、神経変性疾患の原因についての手掛かりが得られた。
Advances
サイボーグ線虫
AIと線虫の脳のコラボレーション。
火星旅行を阻む結石
火星に行く度胸のある宇宙飛行士でもそれに耐え得る腎臓は持っていないかもしれない。
Where I Work
Federico De Pascalis
Federico De Pascalisは、イタリア環境保護研究所の研究員。
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