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  • スクイーズド光で顕微鏡の感度を向上

    生体組織の画像撮影において、分子内の振動からの光シグナルでコントラストを得ることは可能だが、このシグナルの検出は難しい。今回、スクイーズド量子状態にある光を使って、これまでは雑音に覆い隠されていた、分子振動のシグナルを検出する方法が実証された。

    2021年9月号

  • 古代人の糞便とその腸内微生物

    ヒトの腸内微生物がどのように健康や疾患を左右しているのかについて、 理解が深まりつつある。今回、古代人の糞便に関する研究で、 過去2000年の間に腸内の微生物集団がどう変化したのかが見えてきた。

    2021年9月号

  • 腫瘍細胞を休眠へといざなうナチュラルキラー細胞

    ナチュラルキラー細胞は、原発巣から他の場所に広がる転移がん細胞を休眠状態に誘導できることが分かった。この知見は、こうした抗腫瘍機能を妨げる経路の発見と共に、新しい治療法の開発を促す可能性がある。

    2021年9月号

  • 窒素を「削除」して有機分子の骨格を編集する

    容易に入手可能な出発物質から窒素原子を取り除くことで有機小分子の合成反応を進める、新しい概念の化学試薬が開発された。

    2021年8月号

  • ミューオン磁気モーメントの新たな理論計算と標準模型

    ミューオンの磁気モーメントの理論計算で、不確かさの大部分の元になっている効果の新たな第一原理計算結果が報告された。この計算結果は、長年にわたる謎を解決する可能性があるが、新たな謎も生んだ。

    2021年8月号

  • 見落とされていたタンパク質の架橋

    ジスルフィドとして知られる分子架橋は、多くのタンパク質の立体構造を安定化させているほか、タンパク質の機能を調節することもある。しかし、調節性タンパク質架橋は、ジスルフィドだけでなく、別のタイプもあることが発見された。

    2021年8月号

  • ニューラルインターフェースで思考を文字に変換

    運動機能や発話に麻痺のある人のコミュニケーションを助けるニューラルインターフェースが開発された。この技術では、手で文字を書こうと頭に思い浮かべるとコンピューター画面上でテキストに直接変換されるので、他の技術を使用した場合よりも速い入力が可能になる。

    2021年8月号

  • ガラスの原子構造の画像化に、ついに成功

    金属ガラス試料中の全ての原子の空間配置が実験的に決定された。ガラス研究者の長年の夢がかなうとともに、周期性を持たない固体の構造に関して、新たな知見が得られる可能性が出てきた。

    2021年7月号

  • 付け加えがちな私たち

    問題解決に関する心理学実験で、人々は、物、考え、状況などから要素を取り除く方が効率的であるときでも、要素を付け加える解決法を考える場合が多いことが分かった。

    2021年7月号

  • 腫瘍細胞表面に提示され、T細胞に認識される細菌ペプチド

    腫瘍細胞の表面には、腫瘍細胞に侵入した細菌のタンパク質断片が提示されていて、それは免疫系によって認識され得ることが分かった。この発見は、がん免疫療法に影響を及ぼす可能性がある。

    2021年7月号

  • リラックスして発毛促進

    マウスにおいて、ストレスホルモンが皮膚細胞を介してシグナルを伝達し、毛包幹細胞の活性化を抑制することが分かった。このストレスシグナル伝達を遮断すると発毛が刺激される。ストレスのある人は気を付けて!

    2021年7月号

  • 質量90ミリグラムの重力場を検出

    ニュートンの重力の法則は、2つの質量が約90mgと小さくても成り立っていることが実験で分かった。量子力学的な領域に入るほど弱い重力場の測定に一歩近づいた。

    2021年6月号

  • ミトコンドリアDNAが切断されると始まる免疫応答

    ミトコンドリアと呼ばれる細胞小器官のDNA(mtDNA)が損傷を受けると、細胞は核内で免疫応答を開始する。今回、細胞がmtDNAの損傷を感知して核に伝える仕組みが明らかになり、細胞内で起こる細胞小器官と核の協調した免疫監視機構が見えてきた。

    2021年6月号

  • 鳥の渡りの謎が解き明かされた

    技術が進歩し、過去から現代に至るハヤブサの渡りルートの形成に、気候と遺伝子の変化が及ぼした影響を研究する新たな方法が得られた。これは、渡りが将来どうなるのかを予測するのに役立つのだろうか。

    2021年6月号

  • がんを助ける裏切り者、脂質

    がんは、免疫抑制性の制御性T細胞の助けがあれば、免疫系による破壊を回避できる。制御性T細胞の活性は、腫瘍環境では脂質産生経路に依存しており、この脆弱性を標的としたがん治療が可能かもしれない。

    2021年6月号

  • 免疫細胞の代謝変化により老化した脳が障害される

    マクロファージと呼ばれる免疫細胞は、老齢個体では主要な代謝経路が遮断されることが分かっている。マウスでの研究だが、この状態にあるマクロファージの代謝を回復することで、加齢に伴う認知機能低下を軽減できることが分かった。

    2021年5月号

  • β細胞でインスリン作用を調整するブレーキが発見された

    インスリンは膵臓のβ細胞によって産生される。 今回、β細胞におけるインスリンシグナル伝達の調節因子が特定され、 この経路がβ細胞の生物学的性質において重要な役割を担っているとする 長年の考えが確固たるものになった。

    2021年5月号

  • 完全なリサイクルを可能にするバイオマスプラスチック

    プラスチックは極めて有用で現代社会に不可欠な材料だが、貴重な石油資源を原料とし、完全なリサイクルが難しく、環境中に残り続ける。今回、巧妙な分子レベルの設計によって、これらの問題全てを解決し得る、バイオマス由来の高性能プラスチックが開発された。

    2021年5月号

  • 神経機能代替デバイスによる血圧の維持

    脊髄損傷により血圧の維持ができなくなると、身体の衰弱を招く。血圧の安定に不可欠な反射を人為的に再現することで、この問題を回避できるようになった。

    2021年5月号

  • マグネターの巨大フレアを観測

    中性子星の一種、マグネターが引き起こす巨大フレアと呼ばれる爆発現象は、近傍の宇宙で発生したことがあるが、あまりに明るくて観測できなかった。今回、より遠くで発生した巨大フレアが観測され、この爆発現象の詳細がついに明らかになった。

    2021年4月号