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スクイーズド光で顕微鏡の感度を向上
誘導ラマン散乱顕微鏡法は、蛍光顕微鏡法と同様に、生体組織の高解像度マップを作ることができる光イメージング(撮像)方法だ1。誘導ラマン散乱画像でのコントラストは、試料分子内の特徴的な振動に由来するもので、試料を蛍光色素で標識する必要なしに組織イメージングが可能になる。誘導ラマン散乱は生物医学分野でのイメージングツールとして支持を得つつあるが、誘導ラマン散乱で検出できる最小の分子濃度は、蛍光顕微鏡法を使って検出できる最小の分子濃度よりも高い。この検出感度が誘導ラマン散乱を応用できる場面を限定しているが、感度を根本的に改善する方法を見つけることは難しかった。クイーンズランド大学(オーストラリア・セントルシア)のCatxere A. Casacioらは今回、誘導ラマン散乱シグナルの雑音を量子的手法で抑えることにより、感度を上げる方法をNature 2021年6月10日号201ページで報告した2。
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翻訳:新庄直樹
Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 9
DOI: 10.1038/ndigest.2021.210937
原文
Squeezed light improves sensitivity of microscopy technique- Nature (2021-06-10) | DOI: 10.1038/d41586-021-01514-w
- Eric O. Potma
- Eric O. Potmaは、カリフォルニア大学アーバイン校(米国)に所属。
参考文献
- Freudiger, C. W. et al. Science 322, 1857–1861 (2008).
- Casacio, C. A. et al. Nature 594, 201–206 (2021).
- Min, W., Freudiger, C. W., Lu, S. & Xie, X. S. Annu. Rev. Phys. Chem. 62, 507–530 (2011).
- Audier, X., Heuke, S., Volz, P., Rimke, I. & Rigneault, H. APL Photon. 5, 011101 (2020).
- Hopt, A. & Neher, E. Biophys. J. 80, 2029–2036 (2001).
- Fischer, F. F. et al. J. Biomed. Opt. 13, 1–8 (2008).
- Giovannetti, V., Lloyd, S. & Maccone, L. Science 306, 1330–1336 (2004).
- Moreau, P.-A., Toninelli, E., Gregory, T. & Padgett, M. J. Nature Rev. Phys. 1, 367–380 (2019).
- Aasi, J. et al. Nature Photon. 7, 613–619 (2013).
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