Commentary 神経変性疾患のトランスレーショナルリサーチにおける動物モデルの利点と限界 2010年11月1日 Nature Medicine 16, 11 doi: 10.1038/nm.2224 加齢性の神経変性疾患は、おおむねヒトだけに発症し、動物での自然発症はまれである。遺伝子改変マウスモデルは、当該ヒト疾患におけるさまざまな病態を再現でき、疾患の発症機序の研究や治療戦略の検証の手段となる。妥当な範囲内で考察するならば、マウスモデルによる治療成績予測も可能である。臨床へのトランスレーションの失敗は、モデルが不完全であることよりも、前臨床試験が不適当なものだったり、モデルの誤解釈の結果であることが多い。本解説では、現在利用可能なモデルについてまとめるとともに、動物モデルに関して明らかにすべき問題や現行の動物モデルでは解明できない問題点をはっきりさせる。 Full text PDF 目次へ戻る