Review

病的疼痛の中心となる機序

Nature Medicine 16, 11 doi: 10.1038/nm.2231

慢性疼痛は臨床現場と基礎科学における重要な課題である。痛覚を仲介する末梢および中枢神経系ネットワークは、病的状態で広範囲にわたる可塑性を示す。疾患によって誘導される可塑性は、構造および機能の両方のレベルで生じ、個々の分子やシナプス、細胞機能、ネットワーク活性の変化として現れる。最近の研究によって、生理学的な痛みの神経マトリックス内での相互作用が解明され、傷害に誘発される痛覚過敏や接触性アロディニア(異痛症)の概念や、これらが慢性疼痛の複雑で多次元にわたる状態を引き起こすと思われる仕組みについても重要な進歩があった。本総説では、中枢神経系でのネットワーク可塑性を決定する分子に注目し、それらと新しい治療法の開発との関連性について論じる。

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