Community Corner COMMUNITY CORNER 魚由来のオメガ3系脂肪酸が心臓を守る 2010年11月1日 Nature Medicine 16, 11 doi: 10.1038/nm1110-1192 過去のいくつかの研究や基礎調査によれば、魚油由来のn-3系(オメガ3系)脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)を食餌に加えると、心血管疾患のリスクが低下するらしい。しかし、心疾患患者を対象にした他の研究では、残念ながらそれを否定する結果が出ている。D Kromhoutたちは今回、過去に心筋梗塞になったことのある人々では、EPAとDHAの混合物(EPA-DHA)もしくは植物由来の脂質であるα-リノール酸(ALA)を低用量投与しても、心臓突然死の低減に関してよい影響はみられなかったと報告している。ただし、女性と糖尿病患者からなるサブ集団では、ALAのみを摂取した場合に不整脈のリスクが少なくなった。これらの結果は議論の的になっており、心血管疾患治療でこれらの脂肪を今後使うことに対する疑問や反論が浮上している。 Full text PDF 目次へ戻る