Article

深層学習:網膜疾患の診断や専門医紹介に臨床応用可能なディープラーニング

Nature Medicine 24, 9 doi: 10.1038/s41591-018-0107-6

診断用画像の量と複雑さは、それを解釈する専門家の増加を上回るペースで増えてきている。人工知能は、一部のよくある疾患の二次元写真の分類についてはかなり有望であることが分かっており、通常は数百万の注釈付き画像からなるデータベースを必要とする。しかしこれまでのところ、三次元診断スキャン画像に関して、実際のクリニカルパスで熟練した臨床医と同程度の成績を上げるという難問は解決していない。今回我々は、主要な眼科病院へ付託された患者の三次元光干渉断層撮影スキャン画像の臨床的に不均一なセットに対して、新規なディープラーニングアーキテクチャーを適用した。失明の恐れがあるさまざまな網膜疾患については、1万4884例のスキャンで訓練しただけで、紹介状情報の作成に専門家と同程度以上の成績が得られることが分かった。さらに、我々のアーキテクチャーによって作製される組織セグメンテーションは、デバイス非依存的な表現として機能しており、異なるタイプのデバイスからの組織セグメンテーションを使用した際にも、紹介情報の正確さが維持されることが明らかになった。今回の研究は、使用禁止の訓練データを必要とせず、実際の環境下で複数の病状にわたる広い臨床使用を実現するという課題に対するこれまでの障害を取り除くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度