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マラリア:マラリア予防のための抗体医薬品の候補

Nature Medicine 30, 1 doi: 10.1038/s41591-023-02659-z

マラリアによる死亡の75%以上は、5歳未満の小児で起きている。しかし、世界保健機関(WHO)が小児用に推奨した初めてのマラリアワクチンであるRTS,S/AS01(Mosquirix)の有効性はそれほど高くない。従って、マラリア撲滅の取り組みでは、モノクローナル抗体をはじめとする補完的な戦略が重要になる。今回我々は、RTS,S/AS01ワクチン接種者45人の循環血中B細胞レパートリーの特性を解析し、治療薬として開発できる可能性のあるモノクローナル抗体を発見した。2万8000を超える抗体配列を生成し、481の抗体について結合活性を、125の抗体について抗マラリア活性をin vivoで調べた。これらの解析を通じて、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)CSP(circumsporozoite protein)由来のアミノ酸配列(RTS,S/AS01の標的抗原)は、免疫優性抗体応答を誘導することによって、より防御的だが優性ではない応答を制限するという相関関係が示唆された。我々は、結合試験、マラリアのマウスモデル、生物製剤製造評価、タンパク質安定性アッセイを用いて、臨床的なリード抗体およびバックアップ抗体として開発を進めるために、AB-000224およびAB-007088を選び出した。さらに、両抗体の可変領域(Fv)を改変することにより、WHOの優先製品ガイドラインに従って小児集団分配用に規模を拡大して低コストで製造できるようにした。最適な製造工程と医薬品特性プロファイルを備えた改変クローンであるMAM01は、臨床開発に進められている。

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