グリオーマ:再発性/難治性小児低悪性度グリオーマにおけるII型RAF阻害剤トボラフェニブ ─ 第2相FIREFLY-1試験
Nature Medicine 30, 1 doi: 10.1038/s41591-023-02668-y
BRAFのゲノム変異は、小児低悪性度グリオーマ(pLGG)で最もよく見られる発がんドライバーである。現在進行中の第2相FIREFLY-1(PNOC026)試験の第1群(n = 77)では、BRAF変異を持つ再発性/難治性pLGG患者を対象に、選択性と中枢神経系透過性のある経口II型RAF阻害剤トボラフェニブ(週1回420 mg m−2、最高投与量600 mg)の有効性について調べた。第2群(n = 60)は拡大コホートで、第1群終了後、BRAF変異を持つpLGG患者に治療利用を提供するものであった。独立審査による評価ではRANO-HGG(Response Assessment in Neuro-Oncology High-Grade Glioma)基準が用いられ、全奏効率(ORR)は67%で、第1群の事前指定された主要評価項目を満たし、奏効期間(DOR)の中央値は16.6カ月で、奏効までの期間(TTR)の中央値は3.0カ月(副次評価項目)であった。第1群で選択された他の副次評価項目は、RAPNO(Response Assessment in Pediatric Neuro-Oncology Low-Grade Glioma)基準によって評価されたORR、DOR、およびTTRと、治療を受けた全患者(n = 137)で評価された安全性(第2群の主要評価項目でもある)であった。RAPNO基準によるORR(小奏効〔MR〕を含む)は51%、DOR中央値は13.8カ月、TTRの中央値は5.3カ月であった。最もよく見られた治療関連有害事象(TRAE)は、毛髪色の変化(76%)、クレアチンホスホキナーゼの上昇(56%)、貧血(49%)であった。グレード3以上のTRAEは、患者の42%で起こった。9人(7%)の患者で、トボラフェニブ中止につながるTRAEが起きた。これらのデータは、トボラフェニブがBRAF変異のある再発性/難治性pLGG患者の有効な治療となり得ることを示している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04775485。