Consensus Statement
ロボット工学:IDEAL ─ 外科用ロボット工学における開発、比較評価および長期モニタリングのための理想的枠組
Nature Medicine 30, 1 doi: 10.1038/s41591-023-02732-7
次世代の外科用ロボット工学は、世界の医療システムを激変させる可能性があり、評価のための新たな枠組が必要とされている。しかし、外科手術用ロボットの進化は複雑であり、広範囲のシステムを変革する可能性があり、人工知能のような補完的な技術との統合もあるので、手術用ロボットを開発段階で評価するのは困難である。比較臨床研究では、介入の状況や、学習曲線、標準化されたアウトカムに対する注意が必要とされる。長期モニタリングでは、リアルワールドデータ収集のために、協力的で透明性があり、かつ開かれたコンソーシアムへと移行する必要がある。ここでは、手術用ロボットの開発、比較研究、および臨床モニタリング中に行う評価に対する、IDEAL(Idea, Development, Exploration, Assessment and Long-term monitoring)Robotics Colloquiumからの推奨事項を提示し、開発者、臨床医、患者、医療システムに対する実用的な提案を示す。経済、外科手術トレーニング、人的要因、倫理、患者の視点、持続可能性など、多くの側面について検討を行った。標準化された測定基準、医療経済評価モデル、そして推奨事項の世界的な適用可能性について、さらなる検討が必要となる。