Article
焦点走査型ホログラフィック収差プロービング(F‐SHARP)による散乱補償
Nature Photonics 11, 2 doi: 10.1038/nphoton.2016.252
生物医学撮像における長年の目標である混濁媒質内部の光の制御には、電場が散乱試料内部からターゲット面へ伝搬する際に、照射光波面の位相と振幅がどのように変換されるかの知識が必要である。これまで、無秩序な媒質内部の散乱光波面の非侵襲的な特性評価が困難であることが示されていた。今回我々は、F‐SHARPと名付けた非侵襲的散乱補償法を示す。この手法によって、散乱電場の点像分布関数(電場PSF)を三次元で測定することが可能になる。電場PSFの位相と振幅の知識があれば、試料の乱れを光学的に相殺できる。我々は、この手法の撮像能力をさまざまな試料で、特に生体内の脊椎動物の脳をin vivoで撮像し、さらに、薄くした頭蓋骨を通して撮像することによって実証している。