Letter 高速断熱通過スイッチを用いた半導体量子ドットに基づく遠距離場ナノ顕微鏡法 2018年1月22日 Nature Photonics 12, 2 doi: 10.1038/s41566-017-0079-y 従来の光学顕微鏡は、回折限界があるため、ナノスケールのイメージングができない。しかし、強度依存性の分子スイッチを利用することで、ナノスケール分子イメージングが可能になる。このスイッチによって、誘導放出抑制顕微鏡法という顕微鏡方式が実現されている。この方式にはさまざまなバリエーションがあるが、全てレーザーに対するインコヒーレント応答を利用したものである。今回我々は、レーザーに対するコヒーレント応答を利用する方式について報告する。理想的な分子スイッチである高速断熱通過によって、二準位系の量子制御が行われる。我々は、量子ドットアンサンブルを基に、この方式を実現している。各量子ドットは、画像に30 nm(λ/31)以上の明るいスポットをもたらす。共焦点顕微鏡法に関連する顕著な強度損失がないため、発光体の位置決定が10倍改善される。今回の実験結果は、高速断熱通過を超解像ツールボックスの汎用ツールとして確立するものである。 Full text PDF 目次へ戻る