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ヒト網膜の経強膜光位相イメージング

Nature Photonics 14, 7 doi: 10.1038/s41566-020-0608-y

細胞レベルでのヒト網膜のin vivo観察は、網膜疾患の最初の兆候の検出や、網膜疾患の適切な治療に極めて重要である。補償光学系の驚くべき進歩にもかかわらず、多数の網膜細胞の臨床イメージングは、経瞳孔照明によって信号対雑音比が低くなるため、まだ困難である。今回我々は、経強膜光位相イメージング法を報告する。これは、網膜の高角度斜め照明を利用し、補償光学と組み合わせて、細胞のコントラストを高める。11人の健康なボランティアの目の検査によって、この方法が、瞳孔拡張なしに、網膜色素上皮層から神経線維層までの網膜細胞のin vivo画像を生成する能力があることが示された。さらにこの方法によって、フラットマウント網膜の高分解能無標識生体外位相画像の生成も可能になる。4.4°×4.4°の視野のin vivo画像が10秒未満で記録されており、健康な網膜と病気になった網膜を診察する新たな道が開かれる。

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