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二次元半導体を用いたナノフォトニックインターフェースにおける電気的に制御可能なカイラリティー

Nature Photonics 16, 4 doi: 10.1038/s41566-022-00971-7

カイラルナノフォトニックインターフェースによって、導波光学モードと円二色性物質の伝搬方向依存性相互作用が可能になる。インターフェースのカイラリティーの電気的調整は、オンチップのオプトエレクトロニクス回路やフォトニック回路における能動的かつスイッチング可能な非相反性に役立つと思われるが、依然として未解決の課題である。今回我々は、二セレン化タングステン(WSe2)の単原子層を用いたナノフォトニックインターフェースにおける電気的に制御可能なカイラリティーについて報告する。我々は、乱れの少ない窒化ホウ素に挟まれたWSe2表面に、二酸化チタン導波路を直接作製した。集積した後、偏りのない発光と方向に偏りのある発光の間で、励起子状態から導波路へのフォトルミネッセンスを電気的にスイッチングできた。その動作原理は、WSe2における励起子状態のドーピング依存性バレー偏極を利用している。さらに、このナノフォトニック導波路を、インターフェースのカイラリティーから受け継がれたバレー偏極とスピン偏極を示す拡散性励起子フラックスの近接場光源として機能させることができた。今回の汎用的な作製方法によって、ファンデルワールスヘテロ構造を用いたフォトニクスデバイスの決定論的な集積が可能になるとともに、その励起子挙動や電荷キャリア挙動を光学的に制御できる可能性がある。

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