Article

エンタングルメント増強オプトメカニカルセンシング

Nature Photonics 17, 6 doi: 10.1038/s41566-023-01178-0

オプトメカニカルシステムは、力、加速度、磁場の超高感度測定に利用されている。オプトメカニカルセンシングの基本的限界は広く研究されてきており、今ではよく理解されている。すなわち、ボソニック光学モードとメカニカルモードの相互作用に起因するバックアクション雑音と共に、これらのモードに固有の不確定性が、標準量子限界を決める。個々のオプトメカニカルセンサーの標準量子限界を克服するために、非古典的プローブに基づく先進的手法、in situポンデロモーティブスクイーズド光、バックアクション回避測定が開発されている。オプトメカニカルセンシングを強化する概念的により単純な代替的方法は、複数のセンサーによって行われる共同的な測定に基づくものである。この構成において、共同的測定で基本的限界を克服する手段は調べられていない。今回我々は、複数のオプトメカニカルセンサーにおいてエンタングルしたプローブを用いて行った共同的な力測定によって、熱雑音が優勢な領域において帯域幅が改善でき、ショット雑音が優勢な領域において感度が改善できることを実証する。さらに我々は、感度と帯域幅の積を用いてエンタングルしたプローブの全体的性能を定量化し、古典的プローブの性能と比べて25%の増大を観測した。今回実証したエンタングルメント増強オプトメカニカルセンサーによって、慣性航法、音響イメージング、新物理探索のための新しい機能が可能になると思われる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度