In This Issue

両面受光型太陽電池

Nature Photonics 2, 11 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue69474

色素増感太陽電池(DSC)は、1990年代の先駆的な実験以来、大きな進歩を遂げた。そして今日、最適化されたデバイスは約10~11%の効率を誇れるようになった。今月号では、兵庫県立大学およびスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の伊藤省吾らの研究チームが、不燃性・無毒性のイオン液体電解質を利用した両面受光設計について報告している。この太陽電池は、屋外設置に適しており、表面・裏面のどちらで受光しても約6%というほぼ等しい変換効率を示す。高い電池性能を得るために重要なのは、透明SiO2粒子層を用いて裏面からの光を活性変換領域のTiO2粒子に導きやすくすることと、TiO2層の厚さを慎重に最適化することである。

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