Letter

ガウス入力状態からのエンタングルメント蒸留

Nature Photonics 4, 3 doi: 10.1038/nphoton.2010.1

<p>エンタングルメント蒸留は、長距離量子通信に不可欠なプロトコルであり、量子鍵配送の範囲の拡大はその典型的な例である。連続変数量子情報処理の分野では、量子情報も古典的情報も光場に直交符号化され、ガウス状態の形が多い。しかし、ガウス入力状態からの蒸留は、まだ成し遂げられていない。それは、どのガウス操作もガウス状態を蒸留できないという有名なno-go定理によって困難とされる。今回我々は、非ガウス操作を行うことでそのようなガウス入力状態からの蒸留が実現されることを初めて実証する。1個または2個の光子を引き抜くことによって、高利得のエンタングルメントが観測された。2光子の場合、ガウス型に似たエンタングルメントも改善された。この蒸留されたエンタングルメントは、量子鍵配送以外に、高フィデリティー量子テレポーテーションや抜け道のないBellテストなど、下流の用途にも利用できる。</p>

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