Letter

全光コンプトンガンマ線源

Nature Photonics 6, 5 doi: 10.1038/nphoton.2012.82

レーザー-プラズマ加速器の研究の主な目標の1つは、小型のフェムト秒X線源の実現である。特に、既存のレーザーシステムで得られるあまり高くない電子エネルギーを使った、相対論的電子バンチによる光子ビームのコンプトン散乱が、高エネルギーで高輝度の光子源として提案されている。しかし、コンプトン散乱にレーザー-プラズマを利用する方法は、今日まで1 keVより高いX線を生成していない。今回我々は、レーザー-プラズマ加速器とプラズマミラーの組み合わせを用いたコンプトン光源用の簡単で小型のスキームを報告する。この方法を使って、最高数100 keVまで広がるX線の広帯域スペクトルが生成された。輝度は、従来型の加速器を用いたコンプトンX線源に比べて10,000倍に増大している。この方法によって、マイクロメートル程度の大きさの光源から、超高速(フェムト秒)、波長可変(X線からガンマ線まで)、低発散(約1°)の小型で高繰り返し率の光子源が得られると我々は予想している。

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