Letter
サブオングストローム領域で発光するコンパクトX線自由電子レーザー
Nature Photonics 6, 8 doi: 10.1038/nphoton.2012.141
自由電子レーザー(1971年にMadeyによって初めて提案された)のレーザー波長は著しく短縮されてきており、真空紫外領域や軟X線領域に達している。最近、Linac Coherent Light Source (LCLS)では、X線自由電子レーザー(XFEL)が波長1.2 Å で動作した。今回我々は、短周期アンジュレーターと8 GeV電子ビームを組み合わせたコンパクトXFEL光源を用いて、サブオングストロームレーザー光の生成に成功したことを報告する。実現された最短波長は0.634 Å(63.4 pm)であり、Maimanの最初のレーザーで生成された694 nmより4桁短くなっている。最高出力は10 GWを超え、パルス持続時間は10−14 sであった。今回の成果は、XFEL光源の普及に役立つと同時に、科学の新分野を探究する幅広い機会をもたらすであろう。