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ポリマー・オプトエレクトロニクス・インターフェースで盲目ラットの網膜の光感受性を回復する
Nature Photonics 7, 5 doi: 10.1038/nphoton.2013.34
導電性有機ポリマーが示す有益な特性をうまく利用し、有機エレクトロニクス素子と生体基質を接続することによって、バイオテクノロジーに新しい可能性がもたらされる。こうしたポリマーは、細胞の足場、神経プローブ、バイオセンサー、薬物放出アクチュエーターを含むいくつかの用途において、細胞インターフェースに用いられてきた。また、最近、光起電性有機混合物を用いて、光励起過程を経る神経刺激が行われた。今回我々は、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)という単一成分有機膜を使用して、光照射による神経発火を誘発したことを報告する。さらに我々は、この生体-有機インターフェースを用いることにより、光で光受容体を変性させたラット網膜の外植片において光感受性が回復することを実証している。これらの研究結果は、すべて有機材料でできたデバイスが、網膜下人工器官移植の分野において、将来重要な役割を果たしうることを示唆している。