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アト秒ポンプ・プローブ実験のための20 eVと90 eVで生成された同期パルス
Nature Photonics 9, 6 doi: 10.1038/nphoton.2015.77
さまざまな光子エネルギーにわたるアト秒パルスの開発は、アト秒科学の可能性をさらに追求するための、複雑な系でのポンプ・プローブアト秒実験の前段階として不可欠である。我々は、高調波発生によって同時に生成された、同期した極端紫外パルス(90 eV)と真空紫外パルス(20 eV)の生成と特性評価について報告する。この真空紫外パルスは、多くの分子のこのスペクトル領域での光イオン化断面積が大きいことと、こうしたエネルギーでの高調波発生過程の変換効率が高いために大きな光子束が得られることを利用するポンプ・プローブ実験に適している。我々は、アト秒ストリーク技術とFROG–CRAB復元法を使い、全てのパルスの時間的な特性を調べた。我々は、20 eVの576±16アト秒パルス、90 eVの257±21アト秒パルスを報告する。今回、共通経路配置で実装されているため本来的にジッターがない、異なる光子エネルギーのアト秒同期パルスが実証されたことから、ポンプ・プローブ研究にこれまでにはない可能性がもたらされる。